和歌山県白浜町の人気テーマパーク「アドベンチャーワールド」で暮らす4頭のジャイアントパンダが、2025年6月末頃に中国へ返還されることが発表されました。
この記事では、愛らしいパンダたちにいつまで会えるのか、なぜ返還されることになったのか、そしてアドベンチャーワールドの今後はどうなるのか、気になる情報を分かりやすくまとめました。
アドベンチャーワールドのパンダはいつまで会える?
まず、皆さんが一番気になっている「いつまでパンダに会えるのか」についてです。
返還されるパンダと具体的な時期
今回、中国へ返還されるのは、アドベンチャーワールドで飼育されている以下の4頭のメスのジャイアントパンダです。
彼女たちは、2025年6月末頃に中国・四川省にあるジャイアントパンダ繁殖基地へ旅立つ予定です。
名前 | 性別 | 年齢 | 特徴 |
---|---|---|---|
良浜(らうひん) | メス | 24歳 | ベテランお母さんパンダ |
結浜(ゆいひん) | メス | 8歳 | おてんばで活発なパンダ |
彩浜(さいひん) | メス | 6歳 | 好奇心旺盛でマイペース |
楓浜(ふうひん) | メス | 4歳 | 甘えん坊で末っ子気質 |
最後の観覧チャンスはいつまで?
パンダたちは、出発の約1ヶ月前(2025年5月末頃)から、渡航に向けた隔離検疫に入ります。
ただし、アドベンチャーワールドによると、この検疫期間中もガラス越しでの観覧は可能とのことです。
- 通常通りの観覧: 2025年5月末頃まで
- ガラス越しでの観覧: 2025年6月末頃まで(検疫期間)
つまり、これまで通りの姿を間近で見られるのは実質的に2025年5月末頃までとなりそうです。
6月に入ると観覧方法が変わる可能性があるため、早めに会いに行く計画を立てるのがおすすめです。

なんでパンダは中国に帰っちゃうの??

なぜ?パンダ返還の3つの理由
なぜ、長年愛されてきたパンダたちが中国へ帰ることになったのでしょうか?主な理由は以下の3つです。
理由1:日中共同プロジェクトの契約満了
アドベンチャーワールドのパンダ飼育は、「ジャイアントパンダ保護共同プロジェクト」という日中間の協力に基づいて行われています。
このプロジェクトの契約期間が2025年8月に満了するため、今回の返還が決定しました。
日中双方の協議の結果、パンダへの負担が少ない比較的涼しい時期として、6月末頃の返還が選ばれました。
理由2:パンダの所有権は中国にあり
実は、世界中の動物園で飼育されているジャイアントパンダは、その所有権が全て中国にあります。
これは「パンダ外交」とも呼ばれ、絶滅危惧種であるパンダの保護と国際友好の目的で行われています。
ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)の規制もあり、パンダは「贈与」ではなく「貸与(レンタル)」という形で海外の動物園に送られます。
そのため、日本で生まれたパンダであっても所有権は中国にあり、契約期間が満了すれば原則として返還する必要があるのです。
理由3:未来のための繁殖と専門的ケア
今回の返還には、パンダたちの未来を見据えた目的もあります。
- 繁殖の促進
アドベンチャーワールドでは現在オスのパンダは飼育されていません。特に若い3頭(結浜、彩浜、楓浜)は、これから繁殖が期待される年齢。中国には600頭以上のパンダが飼育されており、最適なパートナーを見つけやすい環境になる可能性が高まります。 - 高齢パンダのケア
最高齢の良浜(24歳)は、人間でいうと70代に相当します。中国には高齢パンダの飼育経験や専門的な医療設備が豊富にあり、安心して老後を過ごせる環境が整っています。
このように、パンダの種の保存と個体の健康福祉の観点からも、今回の返還は合理的な判断と言えます。
アドベンチャーワールドのパンダはどれぐらい飼育されていた?
アドベンチャーワールドに初めてパンダがやってきたのは1987年。
以来、約38年間にわたり、パンダの飼育と繁殖に取り組んできました。
特筆すべきは、1994年に中国との間で締結されたブリーディングローン制度に基づく共同繁殖研究です。
- ブリーディングローンとは? 希少動物の繁殖を目的として、動物園間で動物を貸し借りする制度のこと。これにより、遺伝的多様性を保ちながら繁殖を進めることができます。
この取り組みにより、アドベンチャーワールドはこれまでに17頭ものパンダの繁殖・育成に成功。
これは日本国内の施設としては最多であり、「パンダの聖地」とも呼ばれるようになりました。
長年にわたりパンダファミリーは、白浜町のシンボルとして地域経済にも貢献し、たくさんの笑顔と思い出を届けてくれた存在です。
地元の声と今後のアドベンチャーワールド
今回の決定は、地元にも大きな影響を与えています。
突然の発表に驚きと落胆の声
パンダ全頭返還のニュースは、地元・白浜町にとっても寝耳に水でした。
大江康弘町長は「昨年パンダ来園30周年のイベントもあったばかりで、今後はオスのパンダを(繁殖のため)連れてきたいと話していた矢先。大変驚きました」とコメントしています。
町民からも「えっ!なんで?」といった驚きや落胆の声が聞かれます。
新たなパンダは来る?
アドベンチャーワールドは今後も「ジャイアントパンダ保護共同プロジェクト」を継続したい意向を示しており、白浜町も「新たにパンダが来てもらえるように、一緒に努力していきます」と前向きな姿勢です。
つまり、将来的に新たなパンダがアドベンチャーワールドに来る可能性は残されています。
具体的な時期などは未定ですが、今後の動向に注目が集まります。
まとめ:パンダたちとの貴重な時間を大切に
アドベンチャーワールドのパンダ4頭は、2025年6月末頃に中国へ返還されます。
これは、日中共同プロジェクトの契約満了、パンダの所有権、そして繁殖や専門的ケアといった理由によるものです。
通常通りパンダたちに会えるのは2025年5月末頃までの見込み。その後は検疫期間に入り、ガラス越しの観覧となります。
約40年にわたり私たちを癒し、感動を与えてくれたパンダファミリー。彼女たちとの別れは寂しいですが、中国での新しい生活と、種の保存への貢献を応援したいですね。
アドベンチャーワールドでは、今後も新たなパンダの来園に向けて努力を続けるとのことです。続報を待ちましょう。
残された時間はあとわずかです。パンダたちとの思い出作りに、ぜひアドベンチャーワールドへの訪問を検討してみてはいかがでしょうか。

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