NHK受信料は、多くの家庭や企業で支払う必要があると認識されていますが、実はカーナビやワンセグ機能付き携帯電話など、見落としがちな機器にも支払い義務が発生します。
最近では、愛媛県警が捜査車両に搭載されたカーナビ38台分の受信料を支払っていなかったことが発覚し、注目を集めています。
この記事では、NHK受信料が発生する機器とその理由を詳しく解説。未払いが発覚した場合の影響、さらには受信料を回避する方法として注目を集める”チューナーレステレビ”についても紹介します。
NHK受信料が発生する機器とその理由とは?

NHK受信料の基本ルール
結論から言えば、”NHKの放送を受信できる機器”を設置した場合、受信契約を結ぶ義務が発生します。これは放送法第64条第1項に基づいており、家庭用テレビだけに限りません。
放送法第64条第1項(受信契約及び受信料)
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。
なぜ受信料を支払う必要があるのか?
NHKは公共放送として、視聴者からの受信料で運営されています。民放のようにCM収入に頼らず、公平・中立な立場で番組を制作するために、法律で受信料の徴収が義務付けられています。
たとえば、家にテレビがない場合でも、ワンセグ対応のスマートフォンやカーナビを持っているとNHK放送が受信できるため、契約義務が生じます。
契約内容 | 月額 | 年額 |
---|---|---|
地上波のみの契約 | 1,320円 | 15,840円 |
BS(衛星放送)を含む契約 | 2,340円 | 28,080円 |
支払い方法によっては、月単位、半年単位、年単位での支払いが可能です。また、免除対象者には特定の条件があります。
NHK受信料の対象となる機器

1. テレビ
家庭で一般的に使われるテレビは、当然ながらNHK受信料の支払い義務が発生します。特に、複数台ある場合でも台数に応じた受信料が請求されます。
2. ワンセグ機能付き携帯電話・スマートフォン
ワンセグとは、地上デジタル放送を外出先でも視聴できるようにした技術です。通勤中にニュースを確認できるなどの便利さもありますが、NHK受信料の対象になります。
関連判例
3. ワンセグ・フルセグ対応カーナビ
車に搭載されたカーナビでも、テレビ放送が受信できるタイプは受信料の対象です。
カーナビによる受信料未払い問題は各地で発覚しており、最近では愛媛県警が未払い分を公表し、社会的な注目を集めました。
関連判例
- 2019年5月15日、東京地方裁判所がワンセグ機能付きカーナビに対してNHK受信契約義務を認める判決を下しました。
NHK受信料を未払いにするとどうなるのか?
1. 過去契約期間分の請求
未払いが発覚した場合、契約が必要であった期間に遡って受信料を請求されます。
未払いが発覚した愛媛県警の場合、2008年度から未契約状態が続き、約644万円の未払いが発生しました。
2. 訴訟リスク
未払いが発覚し、支払いに応じなかった場合、NHKは未契約者に対し、支払いを求める訴訟を起こすことがあります。
実際に個人・法人問わず、NHKが裁判を通じて未払い分を回収するケースが増えています。
NHK受信料未払いに関する訴訟状況(2024年末時点)
項目 | 件数 |
---|---|
支払督促申立て総件数 | 11,783件 |
判決・強制執行が確定した未払い件数 | 1,032件 |
強制執行実施件数 | 538件 |
放送受信契約の未契約者に対する提訴件数 | 618件 |
NHK受信料を回避する方法
NHK受信料の受信料をどうしても払いたくない人もいると思います。その場合は、”NHKの放送を受信できる機器”を持たないことで支払い義務を生じさせないことができます。
YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなどの視聴だけで十分な人に最適な選択肢を紹介します。
① チューナーレステレビの利用
チューナーレステレビは、テレビチューナーを搭載しておらず、YouTubeやNetflixなどのインターネットコンテンツのみを視聴できるため、NHK受信料の対象外です。
② モニター+ストリーミングデバイス
PCモニターにAmazon Fire TV StickやGoogle Chromecastを接続する方法も有効です。これらの機器はチューナーがなく、NHKを受信できないため契約義務が発生しません。
③ スマートプロジェクターの利用
YouTubeやNetflix対応のスマートプロジェクターを使えば、テレビを使わずに大画面で映像を楽しめます。こちらもチューナーを搭載していないため、受信料は不要です。
なぜNHK受信料が不要なのか?
NHK受信料は”放送を受信できる設備”に対して発生します。上記3つはNHK放送を受信できないため、契約義務がありません。
まとめ
愛媛県警の未払い問題は、NHK受信料の適用範囲が広がっていることを再認識させる出来事でした。NHKは今後もインターネット配信を視野に入れ、スマートフォンなど新たな機器への徴収を進める可能性も指摘されています。
受信料の支払い義務は放送法に基づき、テレビ以外の機器にも及びます。未払いを放置すると法的措置や強制執行に発展するリスクもあるため注意が必要です。
一方で、チューナーレステレビやストリーミングデバイス、スマートプロジェクターを利用すれば、NHK受信料を支払わずにインターネット動画を楽しむことができます。
自分のライフスタイルに合った方法を選び、賢く対応しましょう。
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